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動詞の重ね型 日本人が混乱しがちな中国語

今回は、動詞の重ね型の使用法を学びます。

動詞の重ね型の誤った使用

  • 例1
    • 誤:昨天,他们两个去居酒屋喝喝酒。
    • 正:昨天,他们两个去居酒屋喝酒。
  • 例2
    • 誤:他给田中他刚才玩玩儿的东西。
    • 正:他给田中他刚才玩儿的东西。

動詞がある過程を経て完了する動作・行為を表しており、さらにその動作・行為がすでに起こったものである場合には、重ね型を用いることはできません。“喝酒”の“喝”は、行動の過程を経て完了するものであり、例文では“喝”はすでに発生した行動ですから、例1の文では重ね型を用いることはできません。

次に例2を見てみましょう。動詞の重ね型は述語動詞句での連体修飾語にはなりませんので、“他刚才玩玩儿的”は連体修飾語になることはできません。従って、例2では“他刚才玩玩儿的”という重ね型を用いることはできないのです。“玩玩儿”ではなく、“玩儿”とする必要があります。

中国語の重ね型が表す動作は、時間的に短い動作やあるいは回数が少ない動作です。日本の学生には、時間的に長い動作やあるいは回数が多い動作の場合に重ね型が使えると誤解している場合が多くみられます。

動詞の重ね型の誤った「不使用」

  • 例1
    • 誤:老师,再给我讲这个语法吧。
    • 正:老师,再给我讲讲这个语法吧。
  • 例2
    • 誤:我想再参观长城。
    • 正:我想再参观参观长城。

例1は命令文です。命令文の中で使われる動詞の重ね型は、文の語気を和らげますので、“讲”は“讲讲”としなければいけません。

例2では主観的な願望が表されています。このような場合は動詞の重ね型を用いて語気を和らげ、婉曲に表現しますので、“参观”は“参观参观”とするべきです。

日本の学生にこのような誤りが見られるのは、動詞の重ね型を使うのを避けようとするからです。重ね型は文字通りの文法や意味だけでなく、それ以外の付加的な意味や使用の条件を持ちます。誤った使い方を恐れるために、日本の学生は重ね型を使おうとしません。

重ね型の誤り

  • 誤:今天天气很好,我们去散步散步吧。
  • 正:今天天气很好,我们去散散步吧。
  • 誤:我和他一起去海边游泳了游泳。
  • 正:我和他一起去海边游了游泳。

中国語では、“散步”“游泳”“听音乐”“唱歌”“跳舞”などの語句を離合詞と呼びます。離合詞を重ね型にするときは、最初の文字を重ねます。すなわち、

  • 散步----散散步
  • 游泳----游游泳
  • 听音乐----听听音乐
  • 唱歌-----唱唱歌
  • 跳舞----跳跳舞

日本の学生がこのような間違いをするのは、離合詞の重ね型と2音節動詞の重ね型を混同するからです。 中国語の2音節動詞、例えば“休息”、“讨论”、“打听”などの動詞は重ね型で使用するとき、以下のように重ね型にします。

  • 休息----休息休息
  • 讨论----讨论讨论
  • 打听----打听打听

結論:重ね型を使う時には、重ね型にする句が離合詞なのか、2音節動詞なのかに注意します。

重ね型の後ろの目的語の間違い

中国語の動詞が文章の中で述語となるとき、数量詞を伴うことは可能ですが、文章の中に重ね型があって、重ね型が述語となるとき、その後ろに数量名詞を伴った目的語を置くことはできません。

  • 誤:如果不知道正确答案,你查查一本书。
  • 正:如果不知道正确答案,你查查书。
  • 誤:星期天无聊的时候,我看看一部电影。
  • 正:星期天无聊的时候,我看看电影。

文の中に重ね型がないときには、述語動詞の後ろに数量名詞を伴う句を持つことができます。例:

  • 我买了一本电子词典。
  • 大家一共喝了一箱啤酒。
  • 和我一样的衣服,他也要一件。

連結動詞の重ね型

動詞の重ね型

  1. 単音節動詞

    単音節動詞の重ね型はAAまたはA一A (Aは動詞を表します),AAのうちの二番目は通常軽声に変化します。A一Aのうちの“一”も通常軽声に変化します。すなわち、
    ★下記で0〜4の数字は声調を示します。(0は軽声)

    • 看----看看 (kan4 kan0)
    • 看----看一看 (kan4 yi0 kan4)
    • 听----听听 (ting1 ting0)
    • 听----听一听 (ting1 yi0 ting1)
    • 讲----讲讲 (jiang3 jiang0)
    • 讲----讲一讲 (jiang3 yi0 jiang3)
  2. 複音節動詞

    2音節動詞の重ね型は通常、ABABとなります。重ね型にすると、第2、第4の字は軽声に変わります。

    • 学习----学习学习 (xue2 xi0 xue2 xi0)
    • 休息----休息休息 (xiu1 xi0 xiu1 xi0)
    • 研究----研究研究 (yan2 jiu0 yan2 jiu0)

    2音節動詞の中には、2つの語素が2種類の動作を示すものがあります。例えば、打闹,拖拉,来往,说笑などです。これらの動詞の重ね型はAABBとなります。

    • 打闹----打打闹闹
    • 说笑----说说笑笑
    • 拖拉----拖拖拉拉
    • 来往----来来往往
  3. 離合詞

    離合詞の重ね型はAABです。例:

    • 洗澡----洗洗澡
    • 睡觉----睡睡觉
    • 游泳----游游泳

動詞の重ね型の文法

動詞の重ね型は動作の継続時間が短いこと、または回数が少ないことを表します。例:

  1. 大家一起讨论讨论,也许就能找到正确答案。
  2. 你的手机不会丢的,你在找找。

重ね型にできる動詞とできない動詞

重ね型にできる動詞は動作や行動を表す動詞です。例:

  • 看---看看
  • 说----说说
  • 问----问问
  • 唱----唱唱

重ね型にできない動詞はたくさんあります。次の動詞は重ね型にできません。

  1. 方向動詞:来,去,进,出,上,下,进去,出去
  2. 状態動詞:怕,恨,爱,害怕,喜欢等
  3. 関係動詞:在,是,有,属于,存在等
  4. 発展変化動詞:变,变化,发展等

動詞の重ね型を用いるときの注意事項

  1. 動詞の重ね型は命令文の中ではよく使われ、語気を和らげます。
    1. 你看看书!
    2. 咱们去问问老师吧!
  2. 動詞の重ね型は継続的に起こっている動作、あるいは発生する時間が決まっていない動作を表します。「ちょっと〜する」の意味を持ちます。
    1. 周末的时候在家看看书,听听音乐,挺舒服的。
    2. 出去走走,到处看看,就不会有烦恼了。
  3. 動詞の重ね型は主観的な願望や婉曲を表すことが多いです。
    1. 如果有时间的话,大家希望老师再讲一讲。
    2. 学习汉语有三年了,我想去中国看看。
  4. 動詞の重ね型は次の2種類の状況でのみ否定を表します。
    1. 疑問文や反語文の中で。
      1. 这道题老师没讲讲吗?
      2. 上课之前你怎么不复习复习。
    2. 仮定文あるいは条件節の中で。これらの場合には、2音節同士の重ね型がよく用いられます。
      1. 如果不研究研究,就没有发言权。
      2. 这种孩子,不教训教训不行!
  5. 動詞の重ね型の後には“了”“着”“过”など、過去形を表す語を置くことはできません。 前には“正”“正在”“在”など、動作の進行を表す語を置くことはできません。
  6. 同士の重ね型の後には以下のような目的語を置くことができます。
    1. 名詞もしくは名詞句
      1. 好像迷路了,我们看看地图吧。
      2. 你应该多锻炼锻炼身体。
      3. 大家谈谈自己的理想。
      4. 请仔细研究研究这些问题。
    2. 代名詞
      1. 你去帮帮他吧。
      2. 试试这件(衣服)吧。
    3. “的”で終わる句
      1. 你看看我写的。
      2. 大家尝尝他做的。
      3. 你们讨论讨论他写的。
    4. 主語述語句
      1. 你应该仔细想想我这么做是为了谁。
      2. 调查调查这件事是谁做的。
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